キッチンカーやめとけ。そう言いたくなる厳しさは、確かにあります。好きな料理を作って、好きな場所へ行けば稼げる。そんな簡単な仕事ではありません。
ただ、「大変なことがある」という理由だけで、キッチンカーという商売を否定するのも違うと思います。まずは、始める前に知っておいてほしい10の現実を読んでください。
始める前に知ってほしい、10の現実。
01. 雨の日は売上が落ちます

当たり前です。商売に外部要因はつきもの。
02. 出店場所は自分で探す必要があります

待っていれば仕事が来ると思っているなら厳しい。
03. 売れない日もあります

毎日必ず売れる商売なんてありません。
04. 仕込みも片付けもあります

楽して稼げる仕事ではありません。
05. SNSや集客も必要です

商品だけ良ければ勝手に売れる時代ではありません。
06. メニュー改善が必要です

一度決めた商品をずっと売ればいいわけではありません。
07. 出店料や経費がかかります

売上と利益は別物。数字を見るのは経営の基本です。
08. 車が壊れることもあります

設備トラブルへの備えも事業の一部です。
09. ライバルもいます

競合がいない商売を探している方が危ない。
10. 最初から思い通りにはいきません

試して、失敗して、直す。この繰り返しが商売です。
弊社も、地獄を見たことがあります。

成功した日の話だけをしても、商売の実態は伝わりません。弊社も、200万円分の材料を持ち込んだのに、売上は20万円ほどだったことがあります。
始めたばかりの頃には、「80万円くらい売れるのではないか」と見込んで大量に仕込み、実際には5万円ほどしか売れなかったこともあります。見込みと現実が、ここまで離れることもある。難しい商売です。
金額は筆者の経験に基づく概数です。材料の金額・想定売上・実際の売上を示しており、利益額や最終的な損失額ではありません。
一日の勝ち負けで、商売のすべてを決めない。

商売には、うまくいく日も、うまくいかない日もあります。弊社でも、1日の売上が100万円を超える日が年に何度かあります。それでも、売れた日だけを見ればよいわけではありません。
売れた日も、売れなかった日も、かかった経費も。全部を含めて、事業全体で見る。ここでいう「全体を見る」とは、売上を足して安心することではありません。月や年を通じて、費用を引いたあとにいくら残り、次の営業を続けられるかを確かめることです。
失敗を取り返そうと、次の現場に大きく賭けるのではありません。なぜ見込みが外れたのか。仕込み量、客層、提供速度、競合、天候を振り返り、次の判断を変える。その積み重ねが商売です。
数字を見ず、失敗をすべて天気や主催者のせいにしてしまうなら、独立して勝負する前に立ち止まった方がいい。自分で判断し、その結果を引き受ける覚悟が必要です。
「そんなの当たり前でしょ」と思えたら。

ここまで読んで「大変そうだからやめよう」と思ったなら、無理にキッチンカーを始める必要はありません。キッチンカーに限らず、商売は楽ではないからです。
逆に、「そんなの当たり前でしょ」と思えた人は、ようやくスタートラインです。
