出店できる日を確保する。
イベントで売る日と、定期出店で積み上げる日を組みます。仕込み・移動・休業日も含め、無理なく続く月間予定にします。
自分に合う稼ぎ方を選ぶ →
FOOD TRUCK STARTUP LAB

REAL WORK. REAL STORIES.
仕込み、移動、接客、片付け。
売れた日も、思いどおりにいかなかった日も。
製作と出店運営を経験した筆者が、売上のつくり方から、利益を残す工夫、毎日の衛生管理まで伝えます。
「好き」を、続けられる仕事に。
筆者が最初に選んだ「買い取り」の話 →START HERE / はじめの12のヒント
「なんとなく気になる」から始めよう。売上、仕事、車、準備。
この12項目で、キッチンカーの全体像をつかめます。
車両に調理・販売の設備を備え、確保した出店場所へ移動して営業するお店です。ランチ、イベント、企業からの買い取り依頼など、売り方はさまざま。車を選ぶことに加え、商品・場所・価格・提供方法を組み立てることが開業の準備になります。
客単価 × 販売件数。お店のお金は、ここから。
この基本を読む ↗02基本編移動できる店だからこその強みと仕事。
この基本を読む ↗03基本編初心者におすすめのイベント買い取りも紹介。
この基本を読む ↗04基本編おいしい、買いやすい、すぐ渡せる。その組み合わせ。
この基本を読む ↗05基本編募集を探す。自分から提案する。営業日をつくる。
この基本を読む ↗06基本編看板・写真・SNS・AIで、お店を伝える。
この基本を読む ↗07基本編思いつきから営業開始まで、8つのステップ。
この基本を読む ↗08基本編車両代だけじゃない。開業後のお金も用意する。
この基本を読む ↗09基本編軽・1.5トン・2トン。自分の営業を乗せる一台。
この基本を読む ↗10基本編冷やす、焼く、揚げる。機器の役割がわかる。
この基本を読む ↗11基本編車内に立って、働く自分を想像してみよう。
この基本を読む ↗12基本編安心して売り続けるために。許可とHACCPの基本。
この基本を読む ↗
STEP BY STEP
今の自分に合うところまでで大丈夫。読み終えたら、次の一歩へ進みましょう。
売上のしくみ、店舗との違い、開業までの流れ。まずは言葉と全体像を知ります。
基本編から始める →誰に、何を、どこで、いくらで売るか。売上の式から、自分の場合を考えます。
中級の記事へ進む →収支・車両・厨房設備・現場の判断を深め、最後に衛生管理とHACCPを学びます。
上級+HACCPへ進む →売上のしくみ → 営業スタイル → 出店場所 → メニューと価格
The Question
キッチンカーを開業する人が最初にぶつかるのが「どこに出せば売れるのか」という問いです。ですがこの問いには、ひとつの正解がありません。
同じ場所に同じ日に出しても、売れる車と売れない車があります。逆に、人通りの少ない場所で安定して売上を作っている車もあります。差を生んでいるのは場所そのものではなく、商品・価格・営業スタイルと、その場所の相性です。だからこの研究所では、場所にランキングを付けません。場所ごとに「どんな稼ぎ方の人に向くか」「どんな人には向かないか」を整理します。
だからこの研究所では、「売れる場所」を探す代わりに、売上を営業日数・客数・客単価の3つに分け、稼ぎ方 → 場所 → メニューと価格 → 利益 → 車の順に組み立てます。場所は、その中のひとつの変数にすぎません。
運営しているのは、キッチンカーの製作・修理・販売を行い、自分たちでもイベント出店をしている会社です。売り手として現場に立った実感と、車両を扱う立場から見えることの両方を書きます。
MAKE SALES.
売上は、つくれる。
GUIDE 01 / 売上の式
いくら売りたいか。そのために何日出て、何人に、いくらで買ってもらうか。売上は、営業日数・客数・客単価のかけ算です。この3つには、それぞれ決めるべきことがあります。ここから先の章は、この式の順に進みます。
月12日 × 80人 × 1,000円 = 月商96万円
1日あたりにすると、日商8万円。
考え方を示す仮の試算です。売上の実績・予測ではなく、ここから食材費・人件費・出店料などがかかります。実際は出店日ごとの売上を合計します。
イベントで売る日と、定期出店で積み上げる日を組みます。仕込み・移動・休業日も含め、無理なく続く月間予定にします。
自分に合う稼ぎ方を選ぶ →誰が、何時に、何を食べたくなる場所か。出店区画の前の人の流れと、競合の価格・行列を観察します。
出店場所を比較する →看板商品を明確にし、量・トッピング・セットを設計。お客様が払いたい価格と、1食売って残る金額を合わせて考えます。
メニューと価格を考える →その人数が買う見込みはあるか。ピーク中に提供できるか。営業後は客数・客単価・時間帯別の売上を記録し、場所・商品・売り方を見直します。
GUIDE 02 / 営業日数と稼ぎ方
初心者に筆者がまずおすすめしたいのは、イベントの「買い取り」です。最初に「誰が代金を払うのか」を考え、そのうえで、イベント中心か定期出店中心か、営業日の組み方を選びましょう。
FIRST CHOICE / 筆者のおすすめ
お客様一人ひとりに売るだけが、キッチンカーの商売ではありません。
主催者や企業に、あらかじめ決めた数量・金額で依頼してもらう。筆者が開業時に選んだのは、携帯電話イベントの買い取り専門でした。
携帯電話イベントの買い取り専門でスタートした筆者の、開業から3年間の売上推移です。
筆者の実績に基づく売上額です。利益額ではなく、同じ売上を保証するものではありません。
提供数が事前に決まれば、食材や容器、当日の人員を計画しやすくなります。
依頼金額と必要な費用を比べ、出店前に「この仕事でいくら残るか」を検討できます。
時間を守る、スムーズに提供する。主催者にとって頼みやすい出店を目指します。
商品写真・提供数・料金・対応エリア・提供時間・必要な電源をまとめ、携帯電話販売店やイベント運営会社などへ提案します。最初は、自分が無理なく提供できる数量から。
見積りでは、食材・容器・人件費・移動費を含めて確認。数量変更、雨天・中止時の扱い、支払日も事前にそろえましょう。
営業日数は少なくてもいいので、出る日にまとまった売上と利益をつくる型です。仕込みも人手も、その日に集中して投入します。準備の負担は大きく、当日の天候や集客に結果が左右されます。そのぶん、条件が合ったときの1日の売上は、他の型では届かない水準になります。
1日あたりの売上は大きくなくていいので、平日にレギュラーで出店して月の売上を安定させる型です。仕込み量が読みやすく、営業のリズムもつくりやすい。一方で、出店枠を確保できるかどうかと、同じお客様に飽きられないメニュー設計が課題になります。
GUIDE 02 / 逆算ツール
「どこが一番売れるか」ではなく、「自分がどう稼ぎたいか」から選びます。下から近いものを選んでください。それぞれに向く場所と、先に確認すべきことを表示します。
Q. あなたはどの形で売上を作りたいですか?
週末の大きなイベントで、まとまった売上と利益をつくる型です。出る日数は少なくても、1日あたりの利益で年間を組み立てます。
※ 売上の波が大きい型です。売上の少ない月があっても回る資金計画が前提になります。
1日あたりの売上は大きくなくても、平日にレギュラーで出店して月の売上を積み上げる型です。仕込み量が読みやすく、営業のリズムもつくりやすくなります。
※ 長期休暇・在宅勤務の割合など、オフィス側の事情に売上が左右されます。
住宅地やマンションで、同じお客様に繰り返し売る型です。立ち上がりは遅いものの、認知が育つと安定し、競合が入りにくい場所をつくれます。
※ 募集が公になっていない場所が多く、自分から動いた人が枠を取れます。
FIND YOUR STAGE.
商売の舞台を、探そう。
GUIDE 03 / 客数と出店場所
それぞれの場所には、売れ方の「形」があります。1日の山が高い場所、毎日同じ高さが続く場所、認知が育つまで時間がかかる場所。自分の商品と資金繰りに、どの形が合うかで選んでください。

1日単位で大きな売上を狙うなら、いちばん強い場所です。大型イベントやフェスで、現場と商品がハマれば、1日で大きな売上を作ることができます。反面、出店料・移動・仕込みの先行負担が大きく、天候と主催者の集客力に結果が左右されます。同じイベント名でも、年によって人の入りは変わります。
向く人:少ない営業日数でまとまった利益をつくりたい人/回転を上げられるメニューを持つ人
注意:毎月の入りを一定にしたい人には、売上の波が大きすぎることがあります。
毎日の売上を安定させたいなら、向いている場所です。爆発的な売上にはなりにくいものの、平日にレギュラーで出店できれば、売上を積み上げやすくなります。勝負は昼のごく短い時間に集中するため、提供スピードと、飽きられないメニュー設計が売上を決めます。オフィスの休業期間や在宅勤務の割合の影響も受けます。
向く人:月の売上を安定させたい人/短い時間で数を出せるオペレーションの人
注意:レギュラー枠は空きが出にくく、確保までに時間がかかります。
人が多い場所ですが、「人が多い=必ず売れる」とは限りません。すでに飲食店が多い、フードコートがある、来場者が食事目的ではない、キッチンカーの場所まで人が流れてこない。こうした理由で、思ったほど伸びないこともあります。施設内のどこに置かれるかで結果が大きく変わるため、区画の位置を必ず確認してください。
向く人:館内の飲食と競合しない商品を持つ人/催事と組み合わせて出られる人
注意:集客数の大きさだけで判断すると外します。
見落とされがちですが、面白い場所です。大型マンションの管理組合や自治会と提携し、敷地内やマンション前で定期的に販売する形です。固定客がつきやすく、競合が少なく、住民に認知されやすく、定期出店につながりやすいという特徴があります。実際に、大型マンションなどで定期的に販売してしっかり売上を作っているケースもあります。
向く人:地域に根づいて長く続けたい人/リピートで伸ばせる商品の人
注意:1回目の売上で判断すると、育つ前にやめてしまいます。
公園も商業施設と同じで、ただ人がいるだけでは売れません。その場所にどんな人が、何の目的で、何時ごろ集まるのかを見る必要があります。休日の家族連れが多い公園、朝夕の散歩と犬連れが中心の公園、部活動やスポーツ利用が中心の公園では、売れる商品も時間帯もまったく別物になります。管理者の許可条件も場所ごとに違います。
向く人:休日型で回したい人/滞在時間の長い客層に合う商品の人
注意:公園ごとに許可の要件が異なります。必ず管理者に確認してください。
工場・事業所の敷地内、病院、大学、量販店やホームセンターの駐車場、道の駅など、上の5タイプに収まらない場所もあります。これらは「その施設に毎日いる人の数」と「その人たちが外に食べに出られるかどうか」で売れ方が決まります。順次、研究対象として追加していきます。
掲載方針:実際に出店したデータが取れた場所から、順に追加します。
Pitfall
商業施設は、来場者数だけを見れば魅力的に見えます。それでも思ったほど伸びないことがあるのは、次のような理由です。出店を決める前に、この4点を現地で確認してください。
研究所の結論
人の多さを見るだけではなく、その人たちが「なぜ自分の店で買うのか」を考える。「人がいる場所」ではなく「自分の店を選ぶ理由がある場所か」で見ると、商業施設に限らず判断を間違えにくくなります。
Park
公園も同様で、ただ人がいるだけでは売れません。その場所に集まる人を、次の3つに分けて見てください。この3つが揃って初めて、持っていく商品と出る時間が決まります。
家族連れ、犬の散歩、部活動、高齢者の憩い、平日の子育て世帯。人の層が変われば、単価も、買う個数も変わります。
遊びに来ているのか、運動に来ているのか、通り抜けているだけなのか。滞在時間が短い場所では、食事は売れにくくなります。
朝の散歩、昼前後の家族連れ、夕方の部活帰り。ピークの時間に合わせて出ないと、同じ場所でも結果はまったく変わります。
Field Check
資料や集客数だけでは判断できません。可能なら、出店予定と同じ曜日・同じ時間帯に一度行ってください。それだけで、決めてから気づく失敗の多くは防げます。
FIND YOUR NEXT PLACE / 現場の見つけ方
出店情報サイト、Google、Instagram、ジモティー。いつもの情報収集に、AIで候補を集める方法を加えてみましょう。
ChatGPT Workなどで定期タスクが使える場合は、営業エリアのキッチンカー出店募集やイベント情報を毎朝8時に検索するよう設定。自分で気になった現場も、イベント名やURLを渡して調べてもらえます。
検索用の会話は、ピン留めが使えるなら固定して見返しやすく。自動検索には、ピン留めとは別に定期実行の設定が必要です。
KEEP THE PROFIT.
ここから上級。利益・設備・運営を深めよう。
GUIDE 05 / 利益
売れるほど赤字が増えるような商品設計にしてはいけません。売上を増やす前に、1食売っていくら残るかを把握する。1食売るごとに増える費用と、売れなくてもかかる費用を分けて、「何食売れば残るか」を出店前に出します。
売上だけでなく、廃棄、移動、仕込みと片付けの労働時間も記録。車両費・保険・修理・税金等の支出と手元資金を月単位で確認し、雨天中止や設備故障でも支払える計画を作ります。
研究所の実際の運営データを見る →出店料や仕入れの先払い、キャッシュレス売上の入金日、営業しない日の支出を予定表にします。良い日の売上だけに頼らず、雨天中止や売上が少ない日も含めて資金の動きを考えます。
BEHIND THE SALES / 成功事例の検証
実際に届く金額なのか。その答えを、現場・商品・お客様の姿から探ります。
食事系の商品を販売した、自社運営の事例。
弊社でも、年に何度かは1日の売上が100万円を超える日があります。
実際に到達した金額です。ただし、毎日の基準ではありません。なぜその日に売れたのかを分解してこそ、次の出店に生かせます。
人の多さだけでなく、その場で食事を買いたい人がどれだけいるか。来場目的、食事の時間帯、周囲の飲食店、売り場までの動線から、需要と商品の相性を確かめます。
買いたい人がいても、提供が追いつかなければ売上にはつながりません。注文・会計・調理・受け渡しを滞らせず、ピーク時に何食出せるか。商品の工程と仕込み、スタッフの動きを検証します。
同じ会場のほかのお店ではなく、自分のお店を選ぶ理由は何か。味、見た目、ボリューム、価格、買いやすさを比べます。この104万円の事例では、需要に合う食事系の商品が、同じ会場でリピーターにも選ばれていました。
「男性だから」「若いから」と決めつけず、実際の注文やお客様の声と照合します。需要 × 提供できる数 × 選ばれる理由。この3つがどう重なったかを検証します。
※ 売上は利益ではありません。104万8,000円は個別のイベントでの実績です。上記は成功要因を検証する視点であり、当日の年齢・性別別の購入数や提供時間を集計した結果ではありません。同じ売上を保証するものではありません。
BUILD YOUR STYLE.
自分の商売に、合う一台。
GUIDE 06 / 車の選び方
稼ぎ方・場所・メニュー・販売数が見えると、必要な車両サイズ・設備・作業スペースも見えてきます。ただ、売り方が完全に決まるまで選べないわけではありません。定期出店にもイベントにも対応しやすいサイズを選ぶ考え方もあります。購入・改装前には、調理工程と設備が許可の条件に合うか保健所へ確認します。
イベント中心か、定期出店で積み上げるか。目標売上と営業日数から、自分の営業スタイルを具体化します。
2つの型を見る山が高い場所、毎日同じ高さの場所、育つのに時間がかかる場所。自分の資金繰りに合う形を選びます。
5タイプを見る軽・1t・1.5t・2tロング。今の売り方だけでなく、今後どこまで営業の幅を広げたいかで選ぶと判断を誤りにくいです。サイズごとの向き不向きと、中古で買うときに見る20項目は、姉妹サイトキッチンカー車両研究所にまとめています。
軽・1t・1.5t・2tを比べる
人数・調理機器・通路・冷蔵容量。働く場面から考えよう。
出店区画、搬入経路、車高制限。行きたい場所から確かめよう。
商品や出店先が増えても動けるか。今とこれからを見比べよう。
Our Position
私たちがイベント出店を重視している理由は、少ない営業日数で大きな売上と利益を狙えるからです。平日に毎日少しずつ売るより、土日の大きなイベントでまとまった利益を作る。そういう営業スタイルを選んでいます。
ただ、これは全員にとって正解ではありません。平日の売上を安定させたい人ならオフィス街。地域に根づいてやりたいなら住宅地やマンション。まとまった売上を狙うならイベント。選ぶ基準は場所の優劣ではなく、自分の稼ぎ方です。
この研究所が特定の場所を勧めない理由も同じです。私たちの選択をそのまま真似ても、商品と体制が違えば同じ結果にはなりません。
Conclusion
研究所の結論
目標売上から必要な客数と営業日数を逆算し、場所・メニュー・価格・提供能力を合わせる。出店料や原価を引いて利益が残るかを確認し、現場の数字で改善します。
商売の形が決まったら、次は「続ける」ための章です。営業許可・設備・アレルギー・火気の準備と、毎日の衛生管理・HACCP。売るための計画を、続けられる運営につなげます。
READY TO ROLL.
準備を整えて、走り出す。
GUIDE 07 / 続ける 01 営業準備
出店場所・メニュー・販売数が見えたら、許可、車両と設備、営業中の対応を具体化します。購入や改装の前に確認しましょう。
メニューと調理工程を決め、車両の購入・改装前に保健所へ相談。必要な許可、営業可能な地域、給排水タンク容量、車内でできる作業、仕込み場所を確認します。自宅の台所で仕込めると決めつけないでください。
自治体の案内例:千葉市・キッチンカーの営業許可 ↗。条件は地域で異なるため、営業予定地の保健所に確認してください。
飲用に適する水を使い、手洗いが常にできる量を確保。清潔な給水と汚れた排水を分け、排水・油・ごみの処理方法を出店先と決めます。タンク容量だけでなく、実際の使用量も把握しましょう。
冷蔵庫は食材を入れた状態で冷却能力を確認し、移動中の電源・保冷方法も計画。生肉を扱う場所と盛り付け場所を分け、ほこり・虫の侵入を防ぎます。水や保冷が確保できないときは、調理・提供を止める判断が必要です。
原材料だけでなく、ソース・調味料・仕入品の表示も確認し、変更時はスタッフ全員へ共有します。共用の油・鉄板・トングによる、アレルゲンの意図しない混入にも注意してください。
確認できていないことを「入っていません」「絶対大丈夫」と答えず、原材料と対応できる範囲を正確に伝えます。包装して販売する食品は、販売形態に応じた表示の要否も確認。持ち帰り客には保存方法と早めの喫食を案内します。
ガスホース、接続部、電気容量、配線、消火器を点検。火気使用や出店の届出は管轄消防署・主催者に確認します。発電機や燃料は取扱説明書に従い、排気が車内やお客様に向かないよう配置します。
発電機の稼働中は給油しないこと。燃料を熱源の近くに置かず、ガソリン蒸気の引火を防ぎます。出発前は車両点検と積載物の固定を行い、強風・雷・大雨時の営業中止基準、避難先、連絡方法を主催者と決めておきます。
原因を決めつけず、対象食品の提供を止め、速やかに保健所へ連絡。責任者と主催者にも共有し、お客様には医療機関への相談・受診を案内します。意識障害や呼吸困難など緊急時は119番へ。
事前に管轄保健所・主催者・責任者・保険会社の連絡先をまとめ、誰が連絡するか決めておきます。
食中毒予防、菌・ウイルス、一日の確認、HACCPの順に、営業を支える管理を整理します。
SAFE IS STRONG.
安心して売れる。それが強さ。
GUIDE 07 / 続ける 02 衛生管理
おいしさも、売上も、お客様の安全があってこそ。食材の仕入れから仕込み、運搬、調理、提供まで、一つひとつの工程で予防します。

手と器具を清潔に。生肉・魚介と、加熱済み食品を分ける。

冷たいものは冷たく。温かいものは適切に保温し、長く置かない。

中心まで加熱する。見た目だけでなく、温度と時間で確かめる。
食中毒を起こす食品は、見た目やにおいが変わらないことがあります。黄色ブドウ球菌やセレウス菌の一部の毒素は、通常の再加熱では除けません。
菌が増えやすい条件
食材や汚れにある栄養、水分、菌に適した温度がそろうと増殖します。暑い車内、濡れたふきん、ぬるい煮込みを放置する時間を減らしましょう。
菌によって性質は異なります。少量で発症する菌や、低温でも増える菌もあるため、冷蔵だけで安心しないことが大切です。
多くの食中毒菌が増えやすい「危険温度帯」。食品の温度と、置かれた時間を管理します。
食品表示・保存基準がより厳しい場合はそちらを優先。冷蔵は殺菌ではありません。
持ち帰り食品の衛生管理の目安。料理ごとの条件を決め、提供まで温度を確認します。
または同等以上の加熱条件。機器の設定温度と食品の中心温度は別です。
対象食品に応じた条件で加熱。すべてを75℃・1分で扱わないようにします。
根拠:厚生労働省・テイクアウトの食中毒予防 ↗ / 小規模な一般飲食店の手引書(概要版PDF) ↗ / ノロウイルスQ&A ↗ / 農林水産省・微生物と食品 ↗
再加熱だけで安全は判断できません。冷却・保存中に増えた菌や、加熱で除けない毒素のリスクがあります。自店の計画に沿って温度と時間を管理し、安全を確認できない食品は提供しないでください。菌の特徴を確認する →
衛生管理 02 / 菌・ウイルス
代表的な7種類の細菌とノロウイルスを紹介します。扱う食材や作業を選び、「どこで起こるか」「どう防ぐか」を確認してください。
8 / 8 件を表示
鶏肉・内臓の加熱不足や、生肉の汁がサラダ・調理済み食品に付く場面。食品中で大量に増えていなくても食中毒につながります。
鶏肉は中心まで十分に加熱。生肉用と盛り付け用のトング・まな板を分け、肉を触った後は手を洗います。
公的資料を読む ↗卵・食肉などを常温で放置すると増殖するおそれがあります。卵液の作り置き、加熱不足、器具を介した汚染が危険につながります。
必要量ずつ扱い、冷蔵管理と十分な加熱を徹底。卵や肉を扱う器具と、提供用の器具を分けます。
公的資料を読む ↗生肉やその肉汁、汚染された野菜などが原因に。少量でも発症することがあり、ひき肉は内部にも菌が入り込む可能性があります。
肉の中心温度・時間を確認。生肉と加熱済み食品を分離し、野菜の洗浄や手洗いも徹底します。
公的資料を読む ↗手指や傷から食品へ移り、温度管理が不十分な食品の中で増えて毒素を作ることがあります。素手での盛り付けや常温放置に注意。
手指の傷は責任者へ報告し、食品に直接触れる作業を避けます。清潔な器具で扱い、速やかに提供・適切に冷却します。
公的資料を読む ↗酸素の少ない煮込みの内部などで増殖。加熱に耐える芽胞が残り、ゆっくり冷める間に菌が増えることがあります。
作り過ぎず、保存する分は浅い容器へ小分けして速やかに冷却。冷却の時刻・温度を確認し、再加熱だけに頼りません。
公的資料を読む ↗米飯・麺類などの常温放置がリスク。加熱に耐える芽胞があり、嘔吐型の毒素は通常の再加熱で除けません。
必要量を調理し、長時間の作り置きを避けます。保存が必要な場合は速やかな冷却と低温管理を行います。
公的資料を読む ↗海水由来の菌で、塩分のある環境を好みます。魚介類の温度管理が崩れると増えやすく、器具を通じて他の食品にも移ります。
魚介類を低温で保管し、必要に応じて十分に加熱。生の魚介類と調理済み食品の器具を分けます。
公的資料を読む ↗感染した人の手指や吐物などを介して食品を汚染。冬に多くても通年で注意が必要です。少量で感染し、食品中で増える細菌とは性質が違います。
下痢・嘔吐がある人は調理せず報告。石けんと流水の手洗いを徹底し、アルコールだけに頼りません。汚染のおそれがある二枚貝などは中心85〜90℃で90秒以上加熱します。
公的資料を読む ↗該当する項目がありません。キーワードを短くするか、「すべて」を選んでください。
この一覧は代表例です。寄生虫・自然毒・化学物質などによる食中毒にも注意が必要です。農林水産省・食中毒の原因図鑑 ↗
衛生管理 03 / 一日の確認
出発前から片付けまで、抜けやすい作業を12項目で確認します。自店の衛生管理計画に合わせて項目を補ってください。
このチェックは作業の確認用です。チェック状態は保存されません。HACCPの記録として、実測温度・時刻・担当者・異常時の処置を別途残してください。
作業確認用 / 日付:________________ 担当者:________________ 温度・時刻・処置は衛生管理記録へ記入。
衛生管理 04 / HACCP
HACCP(ハサップ)は、食品を扱う工程の危険を考え、特に重要な工程を管理して食中毒などを防ぐ衛生管理の考え方です。
2021年6月から、原則として食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が求められています。小規模な飲食店は、厚生労働省が内容を確認した手引書を参考に「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」に取り組めます。
手洗い・清掃などの一般衛生管理と、メニューごとの重要な管理をセットで。計画を用意し、スタッフで共有して実施し、確認結果を記録します。書類を作るだけで終わらせず、記録から手順を改善します。
厚生労働省の説明を読む ↗
いつ、誰が、何を、どう確認するか。異常時の対応も衛生管理計画へ。
手順を全員で共有し、仕込みから提供まで、計画どおり実施する。
日時・担当者・温度・確認結果・問題と対応を記録して保管する。
定期的に記録を振り返り、メニューや設備の変更時にも計画を更新する。
| 管理すること | いつ・どう確認 | 記録する内容 | 問題があったら |
|---|---|---|---|
| 冷蔵・運搬 | 出発前・到着時・営業中に温度計で確認。食材の保存条件を守る。 | 時刻、庫内・品温等の測定値、担当者 | 対象品を分け、温度・経過時間を確認。安全が確認できない食品は提供しない。 |
| 肉の加熱 | 自店で決めた頻度で中心温度と加熱時間を確認。 | 料理・ロット、中心温度、保持時間、担当者 | 加熱不足なら追加加熱して再確認。ほかの衛生不良がある場合は提供しない。 |
| カレーの冷却 | 小分けし、冷却開始・途中・終了の温度と時刻を確認。 | 開始・終了時刻、温度、保管先、担当者 | 計画の冷却条件を満たさなければ提供を止め、処置と原因を記録する。 |
| 従業員の体調 | 作業前に下痢・嘔吐・手指の傷などを確認。 | 確認結果、担当者、作業変更等の対応 | 症状を責任者へ報告し、食品を直接扱う作業から外す。 |
記入例:冷蔵庫の温度上昇を確認 → 対象食品を分ける → 経過時間と品温を調べる → 提供可否と処置を記録 → 原因を確認し、再発を防ぐ。判断できない場合は提供を止め、保健所へ相談します。
手引書・計画と記録の様式:小規模な一般飲食店の手引書(概要版PDF) ↗ / 業種別手引書一覧 ↗
原則として必要です。小規模飲食店向けの手引書を参考に、衛生管理計画の作成、実施、記録、見直しを行います。自店の調理工程と設備に合わせて管理方法を決めてください。HACCPの始め方を見る →
FAQ
ひとつの答えはありません。土日にまとめて売りたいならイベント出店、平日の売上を安定させたいならオフィス街のランチ営業、地域に根づいてやりたいなら住宅地やマンションの定期販売が向きます。どこが一番売れるかではなく、自分の商品と営業スタイルに合う場所を見つけることが重要です。
人通りが多くても、すでに飲食店が多い、フードコートがある、来場者が食事目的ではない、キッチンカーまで人が流れてこない、といった理由で思ったほど伸びないことがあります。来場者数ではなく、出店区画の前の通行量と、その人たちが食事を買う状態かどうかで判断してください。
相手は管理組合、管理会社、自治会などです。募集が公になっていないことがほとんどで、こちらから提案する形になります。だからこそ競合が少ない場所でもあります。誰が決裁するのかを最初に確かめてから話を進めてください。
できません。営業の可否・手続き・火気や発電機の扱いは、公園ごとに管理者(自治体や指定管理者など)が定めています。条件は場所によって異なるため、必ず出店予定の公園の管理者へ確認してください。
先に決めるのは場所ではなく、稼ぎ方です。毎月の売上を平日に積み上げたいのか、月に数回の出店でまとまった利益をつくる体制なのかで、選ぶ場所が変わります。稼ぎ方を決めてから、逆算して出店場所を選ぶのが確実です。
イベント出店の日商104万8,000円の事例と、携帯電話イベントの買い取り専門で始めた筆者の売上推移を掲載しています。実績は出店条件や背景とともに紹介し、仮の試算や利益額と区別しています。
Your next chapter.
どんな商品を、どんな場所で売りたいか。ここで見つけたアイデアを、次は自分のキッチンカーへ。
キッチンカー開業研究所の運営:株式会社ケイズエムズ / CRAFTBASE