出店できる日を確保する。

イベントで売る日と、定期出店で積み上げる日を組みます。仕込み・移動・休業日も含め、無理なく続く月間予定にします。
テーマ別講座

売上と利益の違いを知り、必要なお金を整理しよう。

売れたお金は、全部ボクの儲けになるの?

売れたお金から、材料や出店に使ったお金を引いて考えます。元の研究所の計算例を読み、自分の条件に置き換えてみましょう。

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シローたちの説明と、具体的な事例・表で理解を深めよう。
GUIDE 01 / 売上の式

いくら売りたいか。そのために何日出て、何人に、いくらで買ってもらうか。売上は、営業日数・客数・客単価のかけ算です。この3つには、それぞれ決めるべきことがあります。ここから先の章は、この式の順に進みます。
月12日 × 80人 × 1,000円 = 月商96万円
1日あたりにすると、日商8万円。
考え方を示す仮の試算です。売上の実績・予測ではなく、ここから食材費・人件費・出店料などがかかります。実際は出店日ごとの売上を合計します。

イベントで売る日と、定期出店で積み上げる日を組みます。仕込み・移動・休業日も含め、無理なく続く月間予定にします。

誰が、何時に、何を食べたくなる場所か。出店区画の前の人の流れと、競合の価格・行列を観察します。

看板商品を明確にし、量・トッピング・セットを設計。お客様が払いたい価格と、1食売って残る金額を合わせて考えます。
その人数が買う見込みはあるか。ピーク中に提供できるか。営業後は客数・客単価・時間帯別の売上を記録し、場所・商品・売り方を見直します。
GUIDE 05 / 利益

売れるほど赤字が増えるような商品設計にしてはいけません。売上を増やす前に、1食売っていくら残るかを把握する。1食売るごとに増える費用と、売れなくてもかかる費用を分けて、「何食売れば残るか」を出店前に出します。
売上だけでなく、廃棄、移動、仕込みと片付けの労働時間も記録。車両費・保険・修理・税金等の支出と手元資金を月単位で確認し、雨天中止や設備故障でも支払える計画を作ります。
研究所の実際の運営データを見る →出店料や仕入れの先払い、キャッシュレス売上の入金日、営業しない日の支出を予定表にします。良い日の売上だけに頼らず、雨天中止や売上が少ない日も含めて資金の動きを考えます。
月間売上 = 営業日数 × 1日あたりの平均購入客数 × 平均客単価
「売れる場所」を探す前に、この3つの数字を自分の言葉で言えるようにします。何日出るのか。1日に何人が買うのか。1人がいくら払うのか。この3つが決まると、必要な場所、メニュー、提供体制が見えてきます。
目標月商 ÷ 営業日数 ÷ 想定客単価 = 1日あたりに必要な購入客数
例:目標月商60万円、営業日数12日、客単価1,000円なら、1日に50人。(考え方を示す仮の計算です)
逆算して出た「1日あたりの購入客数」が、その場所で現実的な人数かどうか。ピークの時間内に、その人数分を提供できるか。ここで無理があるなら、営業日数を増やすか、客単価を上げるか、場所を変えるか、いずれかの判断になります。
目標売上を、日数・購入客数・客単価に分けて考える。
営業後は、客数・客単価・時間帯別の売上を記録して、次の出店の数字に使います。

売上が高くても、食材や出店料などの費用が大きければ利益は残りません。「儲かるか」を考えるには、1食で残る金額、必要な販売数、営業できる日数を合わせて見る必要があります。このページで損益分岐点の計算を確認しましょう。

「日商が大きいのに赤字」という状態は、売上の問題ではなく設計の問題です。1食売るごとに残る金額がマイナス、あるいはほとんど残らない価格と原価で売っていれば、いくら売っても利益は出ません。逆に、1食ごとに確実に残る設計になっていれば、売れた分だけ利益が積み上がります。
一方で、「日商が大きければ必ず黒字」でもありません。売上から食材費、包材費、出店料、人件費などを差し引いて判断します。
1食あたりに残る金額 = 販売価格 − 1食ごとに増える費用(食材、容器、売上歩率の出店料、決済手数料など)
損益分岐の販売数 = その日の固定的な出店経費 ÷ 1食あたりに残る金額(固定出店料、交通費、人件費など。端数は切り上げ)
例:販売価格1,000円、1食ごとの費用400円なら、1食あたり600円。固定経費が3万円なら、50食で回収。(考え方を示す仮の計算です)
売上歩率の出店料は、販売に応じて増える費用として「1食ごとに増える費用」に入れます。固定出店料は、その日の固定的な経費に入れます。同じ費用を両方に入れて二重に数えないでください。
この計算は、単一商品などに単純化した例です。複数の商品を扱う場合は、どの商品がどれだけ売れるかという販売構成も考える必要があります。
3つ目が重要です。損益分岐が80食でも、ピークの1時間に80食出せない体制なら、その出店は成り立ちません。見込める客数と、提供能力と、損益分岐を照らし合わせて判断します。
「売れるほど赤字になる」を前提にするのではなく、売れた分だけ利益につながる設計をする。
自分の働く時間の対価と、車両・保険など月単位の負担も含めて、事業全体で確認してください。

イベントの来場者数が多くても、キッチンカーまで足を運べない運営や配置になっていれば、売上にはつながりません。ステージや催しの時間と食事の時間が重なっていないか、飲食エリアが人の流れから外れていないか。来場者数の裏にある「買える状態」を見る必要があります。

特に初めて開催されるイベントは、主催者側も運営を試している段階です。私たちは自社でイベントを企画・運営していますが、自社のイベントでも、お客様をキッチンカーへ向かわせる動線をうまくつくれていないことがあります。主催者の経験値によって、同じ来場者数でも結果は大きく変わります。

だから初回の出店は、テストマーケティングに近い面があります。初回で現場の状況を把握し、お客様の動き、売れる時間、売れ筋を確かめる。その結果を踏まえて、2回目以降に本格的な販売体制を組む。この考え方でいると、初回の売上に一喜一憂せずに済みます。
ただし、これは「高い出店料でも無条件に払って参加すべき」という意味ではありません。テストとして払える範囲かどうかは、先に決めておきます。

出店条件には、売上歩率30%や50%、固定出店料15万円や20万円といった例もあります。ここで挙げた数字は個別の条件例で、一般的な相場ではありません。また、固定出店料が何日分の条件かは案件によって違うので、日額と決めつけないでください。
大事なのは、出店料の数字そのものではなく、その条件でどれだけ売れる現場なのかです。歩率50%でも、売れる現場なら残ります。固定15万円でも、動線が悪ければ回収できません。出店料と、買える時間・動線・提供数を一緒に見て判断します。
来場者数だけで判断しない。買える時間、飲食エリアへの動線、提供できる数量、出店条件を合わせて見る。
初回はテスト、2回目から本番。そう決めておくと、出店料と仕込み量の判断がぶれません。